
看護師というと職には困らないといわれることが多いですよね。しかし、安易に考えていると、いざ就職したい時にこんなはずではなかったと後悔するかもしれません。
今回は、乳幼児を育てながら看護師の再就職を目指す場合の現実についてご紹介したいと思います。



核家族世帯の壁
看護師というと、就職には困らないという声をよく耳にする。しかし、実際には、0歳から1歳の子どもがいる看護師の再就職先・働き方は限られている。
例えば、完全な核家族で近隣に頼れる親戚がいない場合、なかなか希望通りの職場に入れない可能性が高い。
総合病院や一次救急であれば、時短勤務・パート勤務等融通がきき、就職可能な職場もあるかもしれない。
しかし、子どもが少し成長してくると、すぐに夜勤の話を持ちかけられることもある。
また、クリニックのような、職員の人数が限られている職場では、職員1人が突然休むだけで大きな影響を与える。
そのため、子どもの体調不良等で突然休みをとる可能性が高い0歳から1歳の子どもがいる看護師は、採用されにくい傾向がある。
その他、施設や訪問看護等、看護師の活躍する職場は様々だが、共通して言えることは、非常勤ならまだしも常勤だとなかなか選考は通らないということだ。
あてにできない存在
私は以前診療所に勤めていた。勤続二年目で妊娠が発覚。「正直、妊娠した時点で基本あてにはしないし、育休後もあてにしないから」と妊娠報告時に言われた経験がある。
確かに、妊娠すれば、悪阻・切迫流産・切迫早産等の体調不良・トラブルで急な休みを余儀なくされることもある。
また、育休復帰後も、0歳から1歳の子どもは容易に体調を崩し、保育園の呼び出しによる急な早退や休みを取得せざるを得ないこともある。
したがって、職場にとって「あてにできない存在」と判断されるのもやむを得ないのかもしれない。
実際に私の勤務する職場でも、「0歳から1歳の乳幼児を育てる正看と比較したら、准看の方があてになる」と判断されていた。
将来子どもが欲しい
さらに、今後も妊娠出産の希望がある場合はどうだろう。
0歳から1歳の子どもを育てている家庭で、新たな命を希望する人は少なくない。



私以外にも乳幼児を抱える職員は最初に解雇の対象となった。
私は将来的にもう1人子どもを授かりたいと考えていたため、職探しの際、産休・育休制度にも重点を置いた。
すぐに再就職のために某紹介バンクに片っ端から登録。
職歴や希望等一通り伝えた。
産休・育休制度自体は法律上どの職場にも形式上存在する。
しかし、人材バンクを通じて問い合わせをしたほとんどのクリニックで、「産休や育休をとるような人の採用予定は無い」、「そもそも産休育休をとるような年代の方は採用しておらず、子育てが落ち着いた方しか実際に採用していない」といった返答が返ってきた。



最終的には、「小さな子どもがいて、今後も妊娠の希望がある方は雇わない方針の職場が多く、希望にそう紹介先がみつからない」と人材バンクから言われてしまった。
私と同様に解雇された乳幼児持ちの看護師も、再就職先を探しているが困難を極めいるとのこと。
再就職のポイントはまわりの”協力体制”
もちろん、夫や親戚が子どもをみてくれる環境が整っている場合は選択肢が一気に広がるだろう。
また、条件を絞らず探せば何かしらの看護職にはつけるだろう。
私は、人材バンクだけに頼らず、自身で必死に職を探した。
何件か採用面接を受ける段階まで行ったが、人事の方からは必ずと言っていいほど、「お子さんの急な体調不良時は誰かに預かってもらえるんですよね」といった内容の質問を受けた。
「そういう環境が整っているから仕事復帰を希望しているんですよね」といった言い方をされる病院もあった。




